「う～ん、美味し～！」
　
「うん！　これはイケるねぇ」

「ええ。本当に美味ですね～」

「あ、ビルス様！　唐揚げに、レモンかけても美味しいですよ」

「そうなのか？　ふぅーん。じゃあ、早速かけてみるか」

　梨子ちゃんとビルス様、そしてウイスさんの三人が、楽しそうに夕食を食べる姿を見て

「早速気が合ってるじゃない……」

　驚きと呆れとが、混ざった声が出た。

「食べることが好き」っていう共通点だけで、こんな短時間で、あの二人と馴染めるなんて……。

　梨子ちゃんて、やっぱり只者じゃなかったわね……。

　梨子ちゃんに、孫君みたいな人懐っこさがあるとは思ってたけど、それが、ビルス様たちにも発揮されるなんて思わなかった。

　っていうか……。

「破壊神」なんていう物騒な存在に、あんまり近寄りたくないでしょ……普通。

　現に、真琴ちゃんは関わりたくないっていわんばかりに、離れたテーブルに座ってる。
　
　一見、真琴ちゃんの方が逞しく見えるけど、案外梨子ちゃんの方が強いのもしれないわね。

　そんなことを思いながら、私はワイングラスを傾けた。