目の前のドアをノックしようとして、その手を止めた。

　……だって、毎日のように、解らない数学の問題を教えてもらうために、この部屋に来てるんだもん。

　さすがに、ウザイよね……。

　そう思って、今日はやめておこうかなと、引き返そうとしたその時。

　シュッ！　ってドアが開いた。

「あっ……」

　驚いて、間抜けな声を出す私を、ドアの前に立つトランクス君はじっと見つめ

「今日は何が解らないんだ？」

　溜息交じりに聞いてくれた。



「私が来たの、分かったの？」

　解らなかった問題を、丁寧に教えてもらった後、気になってたことを聞くと、タブレットをスワイプするトランクス君から「ああ」って、素気ない返事が返ってきた。

　そんなトランクス君に

「もしかして、私が来るの待ってた？」

　首を傾げ、冗談を言うと

「っそ、そんなわけないだろ！」

　いつもクールな顔を赤くして、私の言った冗談にトランクス君は本気で照れてるみたいだった。

　意外なリアクションをした、トランクス君が可愛いくて

「ふふっ！　かわいい」

　思わず声に出すと、トランクス君は顔を真っ赤にして、私を睨んでた。