カプセルの中のピアノ

夢小説設定

この小説の夢小説設定
主人公の名前
主人公の苗字
主人公の幼馴染(女の子)
主人公の幼馴染(女の子)の苗字
主人公の幼馴染(女の子)呼び方

 今日も、微かにピアノの音が聴こえてくる。

 しかし、その音は途中で途切れたり、同じメロディを何度も繰り返したりで、なかなか一つの曲として、最後まで演奏されることはない。

 そんなピアノの音が、この一週間、ずっと続いている。

 真琴ちゃんが言うには、梨子ちゃんは、新しい曲を練習し始めたようで、いま、手探りの状態で、その曲を練習しているらしい。

 まさか、この家にピアノがあるなんて!

 母さんが子供の頃に、ピアノを習っていたと知った時は驚いたが、やめて以来、ピアノはホイポイカプセルの中に仕舞ったままだったと聞かされた時は、母さんらしいなと思い笑ってしまった。

 それから数十年。

 母さんが子供の頃に使っていたピアノを、いま、こうして梨子ちゃんが弾いている。

 ピアノは、再びカプセルの外に出られるなんて、思ってなかっただろう。

 梨子ちゃんがこの家にやって来たことで、ピアノは再び、音を奏でることが出来た。

 ピアノからすれば、梨子ちゃんは自分をカプセルの中から救ってくれた、恩人と言っていいだろう。

 そんなことを思ってると

 ん? 待てよ……。

 ふと、気が付いた。

 もしかしたら、俺の世界にも、母さんのピアノがあるかもしれないことに。

 よーし! 未来に帰ったら、母さんにピアノのことを聞いてみよう。
 もしかしたら、カプセルに入って、まだあるかもしれない!

 俺は宝の存在を知ったような、妙に楽しい気分になり、未来の世界に帰るのが、楽しみになった。
1/1ページ
スキ