マイたちがウチを出て、もうすぐ一年。

　トランクスは突然マイがいなくなったことに当時かなりショックを受け、落ち込んでた。

　そりゃそうよね。

　彼女が突然、何も言わずにいなくなっちゃったんだから。

　でも、マイたちにも理由があってウチを出て行ったわけだし、私はそれは仕方のないことだって思った。

　けど、トランクスは納得出来ないみたいで、しばらくの間マイたちの行方を捜してた。

　結局、半年経ってもマイを見つけられなくて、トランクスはマイがウチに戻って来ることを信じて、待つことにしたみたいだった。

　ま、私が捜せば、人の一人や二人すぐ見つけることは出来るんだけど、こんなふうに好きな人と離れる時間っていうのも、トランクスには必要なんじゃないかって思って、あえて手伝わなかった。

　だって、そうした方がもっとマイへの愛情が深まる。そう思ったの。

　ずーっと一緒にいるより、少し離れる時間があった方が、お互いの存在の大切さが分かるでしょ？

　それに――。

　トランクスには、世の中に女の子はマイだけじゃないって、知って欲しいっていう気持ちもあったし。

　だから、梨子ちゃんと真琴ちゃんが現れた時、私は「よし！　これはチャンスだわ！」って、一人でニヤニヤしちゃった。

　トランクスは二人と同居することに戸惑ってるみたいだけど、私は二人がトランクスにどんな影響を与えてくれるか、楽しみで仕方ないのよね。

　もしかしたら、思ってもないことが起きるかもしれないじゃない？

　そんなことを思うと、私の口元は今日も自然と緩んでいった。