その意図が読めなくて

「どうしたの？　何か欲しい物でもあるの？」

　不思議に思って尋ねると

「この前、ブルマさんに街を案内してもらった時に楽器屋見掛けたから、そこでいいでしょ？」

　私の質問をスル―して、真琴ちゃんはそう言うと

「えっ！？　う、うん……！」

　梨子ちゃんの顔がパッと晴れた。

　ちょっと。

　一体どういうこと？　

　何で楽器屋に行こうってことになるの？

　ギターの調子でも悪くなっちゃったの？

　二人の疑問だらけの会話についていけず、キョトンとしてると

「ブルマさん、すみません。私たち街に行って来ます」

　梨子ちゃんの様子がおかしい理由を理解したらしい真琴ちゃんが、私の方へと振り返った。

「え、ええ。行ってらっしゃい……。って言うか、私も一緒に行くわよ。エアカーで行った方が早いでしょ？」

「え、でも……ブルマさん仕事中じゃあ……」

「いいのよ！　息抜きも必要だから」

「……じゃあ、いいですか？」

「ええ！　でも、その前に。何で楽器屋に行くのか教えてくれない？」

　そう言って、真琴ちゃんと梨子ちゃんの顔を交互に見ると

「ピアノを弾きたいんです」

　真琴ちゃんが躊躇うふうもなく、即答してくれた。

　そんな真琴ちゃんに

「ピアノ？」

　私は目を見開くと

「はい。この子、ピアノやってるんですけど、ピアノに触ってない時間が長くなると、禁断症状が出てくるんですよ」

　って、説明してくれた。