それは、此処、カプセルコーポレーションに修行に来ていた悟空さんを交え、庭を見渡せる広いテラスで昼食をとっている時のことだった。

「トランクス、オメェまた腕上げたなー！」

「何があってもいいように、修行は続けてますから」

　何種類もの料理を平らげ、やっと満たされたといった感じで腹を押さえる悟空さんの言葉に、トランクスさんは笑顔で返していた。

　そんな二人の会話を、隣りのテーブルで食事をしながら聞いていた私の耳に

「オラたちがいなくても、オメェがいれば、今度こそ未来は安心だな！」

　そんな言葉が聞こえてきて、思わず声の方に顔を向けた。

「オラたちがいなくても……」

　聞き流そうと思えば気にならない言葉が、何故か気になった。

　すると、そんな私の疑問を散らすかのように

「来い、トランクス。次は俺が修行をつけてやる」

　べジータさんはそう言って席を立つと「はい！」と、返事をするトランクスさんを伴って、テラスから消えて行った。

　そんな二人の後ろ姿を見送っていると

「べジータが気を遣うようになるとはね……」

　ブルマさんは驚いたような顔で二人を見送っていた。

「気を遣う」

　何に？

　ぼんやり思っていると

「べジータさんとトランクスさんて、仲が良いですよね。トランクスさんはやっぱりトランクス君より大人だからかな？」

　梨子は小首を傾げると、クルクルとフォークに巻きつけたパスタを口へと運んだ。

　確かに、トランクスさんはべジータさんと一緒にいるところをよく見るが、トランクスとベジータさんの組み合わせは見ない。