私たちの地球じゃ、恐竜はとっくに絶滅してるってのに……！

　馬鹿みたいに口を開けて私たちが呆然としていると、この地球にはまだ空を飛ぶのから肉食のモノまで、恐竜という生き物が絶滅せずにいると教えられた。

　信じられなかったが、実際目の前を闊歩する恐竜を目の当たりにして、やっぱり私たちの知ってる地球とは違うんだと思い知らされた。

　そんな、昨日の事を思い出しながら、教えてもらったレストランへ向かっていると、途中、場所が思い出せず足を止めた。

　アレ？　どっちだったかな……。

　長い廊下で立ち止まっていると　

「おはよう」

　後ろから声をかけられ、振り向くと、そこにはトランクスさんが立っていた。

「あ。おはようございます……」

　何だかバツが悪く、素っ気ない挨拶を返すと

「よく寝れたかい？」

　と、優しく微笑みかけられた。

　怪我した人間を抱え上げたり、こうして気遣う言葉を掛けてくれたり……。

　優しいんであろう彼に

「はい。おかげ様で」

　と、また素っ気ない返事を返した。

　怪我をしていたとは言え、有無を言わせず人を抱きかかえ、無様な姿を晒してくれたこの人に、私は少しムカついていた。

　抱えなくとも、他に介抱の仕方があっただろ！

　こっちがそんな事を思っているとも知らず

「そうか。よかったよ」

　安心したような柔らかい笑顔を向けられ、自己嫌悪した。

　小さい奴だな……私。

　胸でポツリ呟いてると

「レストランに行くなら一緒に行こう。こっちだよ」

　トランクスさんはニコリと微笑むと、長い廊下を進み始めた。