ま、自慢……ってワケじゃないけど、こう言っておけば、これからウチで生活するのに気を遣わなくていいんじゃないかって思ったの。

　これからしばらくは、ウチで暮らすんだもの。　　

　だから

「お金のことは全然気にしなくていいのよ。これから家の中を案内するけど、この家のモノは自由に使ってくれて構わないから！」

　そう言うと、梨子ちゃんに「ありがとうございます！」って、輝いた笑顔を向けられて、思わず笑っちゃった。

　こういう人懐っこいところは孫君に似てるんだもん。

　ママと孫君に似てるなんて……。ある意味最強なんじゃないかしら？

　そう思ってる傍から、嬉しそうに

「いい人たちに会えてよかったね、マコちゃん！」

　ニコニコしながら言う梨子ちゃんに、渋い顔を向けてる真琴ちゃんにちょっと同情しちゃった。

　私だって「常識」が通用しない、途方に暮れる経験をこれまでたくさんしてきたから。

　でも、経験て人を変える。ううん、成長させるって言うのかしら？

　一度経験してしまうと「免疫」っていうものが身に付いて、ちょっとしたことでも動じなくなる。

　だから何事も経験って大事だわ。

　その「経験」があって「免疫」が出来て、また次の新しい経験をする勇気が出るんだから。

　ま、それで私も現在の私があるわけだし……。

　これまでの自分の不思議で異常な体験を振り返りながら、そんなことを思っていると

「……うん……」

　って渋々答えざるを得ない真琴ちゃんに、口元が緩んじゃった。