「ええ！　食糧から飛行機、車に家まで何でもこのカプセルに収納可能よ！」

　と答えると、梨子は「スゴーイ！」と心底感動していた。

　まぁ……確かに。

　あんな小さなモノの中に何でも収まったらスゴイ。

　世紀の大発明も納得だわ……。

　私も唸るように、感心していると

「あら？　ブルマちゃん、お客様？」

　おっとりとした声が聞こえた。

　声の方を見ると、トレイに牛乳とジュースを載せた金髪の女の人と、右肩に黒猫を乗せた白衣を着たおじさんがドーム型の建物から出て来た。

「ええ、そうなの。紹介するわ、梨子ちゃんと真琴ちゃんよ。今日から少しの間ウチに住むことになったの。いいわよね、パパ？　ママ？」

　ん？

　パパ？　ママ？

　……ってことは、この人がブルマさんの……？

　……何か、ブルマさんとは似てないよーな……。

　ふわふわと和んだ雰囲気を纏う二人を見ていると

「まぁ、可愛らしいお客さんね」

「ホントだねー。ああ、好きにしたらいいよ」

　と、警戒心ゼロな発言に

　そこは似てるのか？！

　と、思わず口に出そうになった。

　まったく……。

　よく、まぁ、こんな素性が分からない人間二人を簡単に家に住まわせようなんて思えるもんだ……。　

　おかげで助かったけど。　

　呆れつつも、私は警戒心の薄いこの家の人たちに感謝した。

　この際遠慮なんてしてられない。

　頼れる者はどんな人間でも頼って、使ってやる……！

　そして、絶対に家に帰るんだ！！

　私は静かに決意を固めた。