さっきまでと違って、いつも通りの落ち着いたふうなマコちゃんに目を見開いてると

「決まりね！　梨子ちゃんもいいかしら？」

　答えを求められて

「えっ？！　あ、はい！　あ、あのお世話になります！」

　日本人に染みついた「遠慮深さ」みたいなものを演じながらも、内心「ありがとう、ブルマさん！」て思いながら、私も頭を下げた。

　こういうのを「地獄に仏」っていうのかな？

　何てことわざが頭を過り、あー、でも「地獄」みたいな怖い場所でもないか。

　何て、ぼんやり思ってると

「ほら。ママならここにいるだろう」

　そう言いながら、小さな女の子の手を引いて、私たちと同い歳くらいの男の子がドーム型の建物から出て来た。

「あら、丁度いいところに来たわね！　二人に紹介するわ。息子のトランクスと、娘のブラよ」

　え？　

　トランクス……？

　トランクスと呼ばれた目の前の男の子を見ると、ずっと私たちと一緒にいるトランクスさんと同じ顔でビックリした。

　不思議過ぎるこの状況に、女の子の手を引く男の子をじっと見つめてると、ジロッと怪訝そうな青い目を向けられビクッとした。

　誰かに似ているその視線にたじろいでると

「今日からしばらくウチに住むことになった梨子ちゃんと真琴ちゃんよ。トランクスもブラも仲良くしてね」

　そう紹介するブルマさんに、もう一人のトランクスと呼ばれてる男の子は

「えっ？！」

　と戸惑いながらも

「分かったよ……」

　と、渋々といった感じで返事をすると、私たちに警戒するような視線を向けてきた。