「まったく……」
　
　腰に手を当て、呆れたとばかりに溜息を吐いた。そりゃ、溜息も出るわよ。
　
　久し振りにこっちに来たと思えば、修行、修行、修行！

　ホントにサイヤ人て戦うことしか頭にない、戦闘バカなんだから！！

　恨みがましい目で、修行が繰り広げている我が家の庭の上空を見つめると、時々二人の姿が現れては消えた。

　空を裂く音や、ドスッという鈍い音が聞こえる青い空を見上げていると、音だけの見えない修行を見るのにも……ん？聞くかしら……？　にもいい加減飽きてきて

「もーー！！　あんたたち、いい加減にしなさい！！！」

　思わず響き渡るような大きな声を出すと、ギクリとした顔が二つ、こちらを見下ろしていた。

　その固まった二つの顔をじぃーと睨みながら

「よくもまぁ、朝から晩……いいえ、三日前からよ！　寝る時と食事以外の時はずっと修行修行って……！　いい加減にしてちょうだい！」

　我慢の限界だとばかりに、怒りに震える口調でそう言うと、固まった顔の一つは気不味そうに

「す、すみません……」

　と顔を引き攣らせ、もう一つは邪魔されたことに腹を立てたような、不満げな顔でこっちを睨んできた。

　私もそんな二人を睨んでいたけど、睨んだ先にいる二人の関係を思うと、怒るのも何だか気が引けてきて

「ハァ……。まぁ、いいわ。それより少し休憩したら？」

　溜息混じりにそう言うと、二人はようやく空から下りてきた。

　ママが用意してくれたクッキーや飲み物を庭のテーブルに並べて、やっとゆっくり親子の会話が出来るわ。そう思った時だった。