「わぁ……！　何かスゴイ……！！　漫画や映画みたいな話しだね、マコちゃん！！」

　……。

　……夢見がちで、呑気な奴だということは長い付き合いだから知ってた……。

　けど……。

　何言ってんだ、コイツは！？　

「ちょっと！　まさか、今の話し信じるの？！」

「え？　だって、凄くない？！　映画の主人公みたいじゃない！！」

「はぁっ？！　何言ってんのあんた？！」

　興奮して瞳を輝かせる顔に、言葉が続かなかった。

　ア然としている私と、興奮している梨子の温度差に、周りも声を掛けにくいのか様子を窺っている。

　でも、絶対に私のリアクションは間違ってない！

　両手に拳を作り

「あんた、何でこんな話し信じられるの！！？」

　怒鳴る……に近い大きな声をあげると

「え？　だって、こういうの映画とかでよくある展開でしょ？」

　平然と返ってきたセリフに

「これは映画じゃないでしょうがっっ！！」

　噛みつくように叫んだ。

　こんな馬鹿げたこと、一体どうしたら信じられるようになるんだ？！

　何だ？！　私は嵌められてるのか？！

　拳を握り、怒りとも何とも言えない感情に震えていると「まぁまぁ……」と、和ませる声が間に入ってきた。

「信じられねぇのは分かるが、ここがオメェたちの住んでる地球じゃねぇのは多分間違いねぇ」

　馬鹿げたことを改めて言われ、その人の良さそうな顔を睨むと

「はは、そんな怖い顔すんなって！　大丈夫だ。ドラゴンボールを使ってこっちに来れたんなら、また神龍に頼んで、オメェたちの地球に帰してもらえばいいさ！」