「あいつら、これからもタイムマシンを使う気だろうな」

　カプセルから出たタイムマシンを見て、顔を顰めるビルス様に

「仕方ありませんよ」

　ウイスさんは澄ました顔で答えた。

　その横では

「タイムマシン……？！　これが……？！　そんなモノ、よく人間に造れましたね……」

　驚いたように、ヴァドスさんがタイムマシンを見つめた。

　神様たちも驚くくらいだから、やっぱりタイムマシンて凄い発明なんだ……！　

　タマゴみたいな形をした、夢の機械を感動しながら眺めてると

「真琴ちゃん、梨子ちゃん」

　トランクスさんに名前を呼ばれ、ドキッとした。

　昨日負った失恋の痛みと、たった今知った、トランクスさんの大切な人の存在に、心がジンジンと痛むのに耐えながら、何とか「はい」って笑顔を作った。

　いつも通りの笑顔になってるかは分からないけど、頑張って口角を上げてると

「二人とも元気でね」

　トランクスさんは微笑んだ。

　意志の強そうな青い綺麗な目。

　落ち着いた声。

　やっぱりカッコ良くて、凛々しくて……。

　好きだなぁ……。

　そう思ってると

「二人のこと、絶対に忘れないよ」

　トランクスさんはそう言うと、にこりと笑って手を差し出した。

　その手は大きくて骨ばった、男の人の手だった。

　マコちゃんは手を伸ばすと

「私も、トランクスさんのこと絶対に忘れませんから」

　そう言って、にこりと笑った。

　それだけの言葉で、トランクスさんとマコちゃんには通じ合うものがあるように思えた。