「まったく……。クールというか、冷めてるというか……。誰に似たのかしらね……」

　ボソッと文句を言うと

「そ、それで？　どうやって分かったの？」

　トランクスは話しを逸らすように聞いてきた。

　私は呆れたように溜息を吐くと

「それがね……」

　この地球じゃない、もう一つの地球を見つけた経緯を話し始めた。




「そっか。第六宇宙にある地球だったのか……」

「そうなのよ。それでね、明日ヴァドスさんが二人を送って行ってくれることになったの。多分、あんたが学校から帰って来る頃には二人はもういないと思うから、言うなら今日中にお別れ言っておきなさいよ！」

　語気を強めて言うと
　
「ああ。うん……」

　二人が「帰る」意味を実感し始めたのか、少し戸惑うような返事が返ってきた。
　
　そんな我が子に

「ねぇ。あんた、梨子ちゃんのことが好きなら、気持ちだけでも伝えておいたら？」

　ニヤリと微笑むと

「っ！？　な、何言ってんだよ！！」

　トランクスは顔を赤くした。

「あら？　梨子ちゃんのこと好きなんじゃないの？」

「ち、違うよ！」

「えー？」

　赤い顔で反論するトランクスに、ニヤニヤした顔を向けると

「まったく、何言ってんだよママ！　俺は、梨子のことなんて、本当に何とも思ってないから！」

　トランクスはそう言い放つと、くるりと回れ右をして、私の前から逃げて行った。

　そんな後ろ姿を見つめ

「梨子……？」

　って呟いた私の顔は、次第にニマニマと緩んでいった。