「これで、お二人はご自分たちの星に帰ることが出来そうですね」

　ウイスさんが穏やかに微笑むと

「どうされます？　すぐに帰られますか？」

　続いたヴァドスさんの問い掛けに、二人は顔を見合わせると、黙って俯いてしまった。

　口には出さなかったけど、自分たちの地球にすぐにでも帰りたがってた真琴ちゃんも、さすがに「すぐに帰る」っていうのは名残惜しいみたいで、返答を躊躇ってるように見えた。

　二人がどう答えるのか。

　みんなが二人を見守ってると

「明日……。明日帰ります」

　俯いてた顔を上げて、真琴ちゃんが答えた。

　そして

「いいでしょ？」

　隣りを確認すると、梨子ちゃんは俯いたまま小さく頷いた。

「それでは……。明日、第六宇宙の地球に帰るということで……。よろしいですね？」

　ウイスさんの問い掛けに、二人はコクリと頷くと

「分かりました……。それでは明日、第六宇宙の地球までお送りすることにしましょう」
　
　ヴァドスさんは綺麗に口角を上げた。



　夕方。

　学校から帰って来たばかりのトランクスに

「梨子ちゃんと真琴ちゃんの地球が見つかったのよ！」

　当然驚くだろう報告をすると

「……へぇ」

　って、あまりにも素っ気無い返事が返ってきた。

「ちょっと！　何よ、そのうっすーいリアクション！？　もっと驚きなさいよ！！」

　思わず大きな声を出すと

「えっ？！　あっ、ああ……！　よかったね」

　慌てて驚いたふうを装う我が子を、じとりと睨んだ。