ベジータさんは胸の前で組んでいた腕を解くと

「……分かりました。父さんもそう言うなら……」

　と、トランクスさんも二人の出した結論に納得したみたいで、私たちは家に帰してもらえることになった。

「それで、オメェたちの家はどこだ？」

「えっと、私たちの家は――」

　一応県内だと思って、住んでる町の名前だけ伝えると　

「そこって、西の都の方か？　それとも東の都か？」

　西と東というざっくりした質問を返され、目をパチパチと瞬かせた。

　東西で聞くって斬新……。

　なんて思いながら

「えっと……東の方です……」

　と答えると

「じゃ、サタンシティの近くか？」

　そう聞かれ「？」という顔をして答えるのに困ってると、ベジータさんが眉を寄せ

「オイ、おまえたちの住んでる場所をもっと詳しく教えろ」

　と、睨んできた。
　
　相変わらず高圧的なその口調に

「わ、私たちの町は――」

　と、おどおどしながらも自分たちの住む場所を県名から細かく伝え、わりかし有名なランドマーク名なんかも伝えると、変な空気が漂い始めた。



「聞いたことがないな……」

「ええ……。そのような場所、僕も聞いたことがありません……」

　神様もピッコロという人？　も眉を寄せた。　

「え……？　ここ、日本ですよね？」

　ぽつり尋ねると

「ニホン……？」

　と、訝しげに尋ねられた。

「え……？！　日本です……。私たちの住んでる国の……」

「国？」

「あの、ほら、アメリカとかフランスとか……」

　そう言うと、更に変な空気が私たちを包み始めた。