さっき、梨子が手作りの親子丼と豚汁を私の前に運んで来るなり、それを見た珍客二人は目を輝かせた。

　私の昼食を物欲しそうに見つめる二人に

「汁物の方ならありますけど……」

　梨子がそう言うと、二人はすぐに豚汁を持って来るよう頼んだ。

　そして、その様子を見ていたみんなにも豚汁は振舞われることになり、いま、全員が豚汁を啜っていた。

「梨子ちゃんて料理も上手なのね」

　豚汁を啜りながら感心するブルマさんに

「梨子ん家はおばさんが料理上手なんですよ。梨子は子供の頃から教わってて、それで上手いんですよ」
　
　豚汁の椀を持ち上げながら答えると、ブルマさんは「へぇ、そうなの」と、更に感心したふうだった。

　確かに、梨子の料理の腕には感心する。

　レパートリーも豊富だし、お菓子やパンまで作れるもんな……。

　そんなことを思いながら、親子丼を口に運びはじめると

「お待たせしました」

　厨房から戻って来た梨子が、ウィスさんに湯気の立つ椀の載ったトレイを差し出した。
　
「ありがとうございます、梨子さん」

　ウィスさんがにこやかに椀を受け取るのとほぼ同時

「梨子ちゃん、ごちそうさま！　すごく美味しかったよ」

　トランクスさんが梨子へ笑顔を向けた。

　相変わらず、嘘のない爽やかな笑顔だ。

　そんな笑顔を向けられた梨子は

「あ、ありがとうございます……！」

　と、嬉しそうに頬を染めていた。