はぁ……。よかった……。

　威圧感のある視線から解放され、ホッとしてギターをケースに戻し始めると

「私のは竹刀です」

　マコちゃんが、背中の竹刀袋から竹刀を取り出し見せていた。

　それを見て

「そっちはオモチャか」

　吐き捨てるようにそう言うと、べジータさんの気は収まったみたいだった。

　でも、マコちゃんはそれに気を悪くしたみたいで

「私たち、何を疑われてるんですか？」

　不機嫌そうに、べジータさんを睨んでいる。
　
「いやー、すまねぇ。おい、べジータ！　これでこいつ等が怪しい奴等じゃねぇってことでいいだろ？」

　宥める声に

「フン！」

　と、視線を逸らすべジータさんを、じっと見つめた。

　私たちより、この人たちの方がだいぶ怪しいよね……？

　神様なんて完全に宇宙人だし……。

　それに、知らない男の人たちに囲まれてる私たちの方が危なくない……？！

　でも、逃げるのも無理そうだし……。

　そんなことを思いながら、神様と同じ姿のピッコロと呼ばれてた人に視線を向けると、バチリと目が合ってギクリとした。

　すると

「確かに俺とデンデは地球人ではない。だが、安心しろ。おまえたちに危害を加えるようなことはせん」

　思ってたことを見透かされたんじゃないかと思って、更にギクリとした。

　驚いた顔のまま、何だか気不味くて固まっていると

「じゃあ、もう家に帰っていいですか？」

　真横から、とても不機嫌な声がした。

　いつも冷静なマコちゃんだけど、この状況にイライラしてるみたいで、明らかに機嫌が悪そうだった。