「みんなに遊んでもらってたの」

　そう言ってにこりと微笑む顔は、続けて

「トランクス君は？　どうしたの？」

　大きな茶色い目をパチパチさせ聞いてきた。

　不思議そうに見つめてくるその顔に

「あ、あのさ。これからエアカーで走りに行こうと思うんだけど、一緒にどうかなって……」

　ドギマギしながら、言い慣れない台詞を口にすると

「それって……ドライブ？！　うん！　行く！　行きたい！」

　梨子はパァァと嬉しそうに顔を輝かせた。
　
　返ってきた返事に、ホッと胸を撫で下ろし

「じゃあ、今から出ようと思うんだけど……」

　緊張してる自分に「おい、俺」と心の中でツッコんでると、目の前の梨子は「うん！　いいよ」と満面の笑みで頷いた。



　エアカーで西の都のメイン通りを走ってる最中
　
「こっちは高校生でも運転出来ていいよね」

　梨子の羨ましそうな声がした。

「そっちの地球は、出来ないんだっけ……？」

「うん。だから、歳下なのにトランクス君が運転してるのが変な感じ」

　梨子はクスッと笑うと

「でも、カッコイイよねー！　運転出来るって」

　そう続いた言葉にドキッとした。
　
　自分だけに対して言われてる言葉じゃないのは分かってるけど「カッコイイ」なんて言われると、意識してしまう。

　心がそわそわするのを紛らわすそうと、ハンドルを握る手に力を込めると

「ねぇ。この道って、何処に行くの？」

　梨子が興味津々といったふうに、楽しそうな笑顔を向けて聞いてきた。