レストランで、少し早めの昼食を食べてると

「やっと起きて来たのね」

　呆れた。というふうな、ママの声がした。

「おはよう」

「おはよう。じゃないわよ」

「いいじゃん。日曜なんだし、ゆっくり寝てたって」

「日曜だからじゃない！　こんなにも天気がいいのよ！　早く起きて出掛けないと勿体無いでしょ」

　そう言うとママは　

「はい」

　って、ホイポイカプセルを渡してきた。

「……何？」

　突然渡されたカプセルの意味が分からず「？」を浮かべてると

「今日は梨子ちゃんとデートして来なさい」
　
　にっこり微笑まれ、思わず「えっ？！」って、大きな声が出た。

「何よ？」

「い、いや！　な、何で俺が……！」

「だって、暇そうなのあんただけなんだもん」

「え……？」

「トランクスと真琴ちゃんは神様のとこに行っちゃったし、パパとママはブラと出掛けたでしょ。ベジータはあんなだし、私は仕事で手が離せないから、梨子ちゃん、いま一人なのよ」

「だ、だからって、何で……！」

　梨子の名前を聞くだけで、しどろもどろになりそうになってると

「あんたねぇ……」

　ママはハァ……って溜息を吐くと、俺の手からヒョイとカプセルを取り上げた。

　そして

「いいわ。悟天君にでも頼むから」

　そう言うと、くるりと背を向け歩き出した。

　その背中に

「ちょ、ちょっと待って！　わ、分かった！　行くよ、行くから！」

　俺は慌てて声を掛け引き止めると、にんまりとした顔が振り返った。