トランクスの純情な面を知ってしまい、少しばかり好感を抱き始めてると

「だから、まだ高校生なんだし、せっかくカッコイイわけだから、私としてはもっと他の女の子と遊んだら？　って思うのよねぇ……」

　ブルマさんはそう言いながら、宙を見つめた。

　なるほど……。

　って、いやいや！　親としてその発言はどうなんだ……！？

　心の中でツッコんでると

「あの子、いずれは私の跡を継いで社長になるでしょ？　だから、それまではたくさんの人と付き合って、色々と経験を積んで欲しいのよ。女の子とのデートだって、経験の一つになるわけだし」

　そう言うブルマさんは、後継の我が子のことを思う、親の顔をしてた。

　……そういう事か。

　ブルマさんの不満の先にあるものが分かって、納得してると

「だから、昨日二人があの子とデートしてくれたでしょ？　それが凄く嬉しかったのよ」　

　嬉しそうに微笑むブルマさんに、キョトンとしてしまった。

　デート……？

　昨日のアレは、ただ出掛けただけで私等……少なくとも私はデートだと思ってないが……。
　
　心の中で否定していると

「で、あの子どうだった？　ちゃんとエスコート出来てた？！」

　興味津々といったふうに、ブルマさんが聞いてきた。

　……エスコート？

　そもそもデート経験がほぼないので、どういったことがエスコートになるのか分からないが、取り敢えず

「ああ、まぁ……」

　と、曖昧な返事をすると

「それなら良かったわ。あの子デートらしいことしたことないから、心配してたのよ」

　安心したとばかりに、ブルマさんはホッと息を吐いた。