「でしょ？」

　そんなこと、考えもしてなかったっていう顔は、少ししてから

「ちょっと待って……！　それ、凄く怖くない？！」

　そう言うと、思いっきり顔を歪めた。
　
「ここに来た時、そういうことも過ぎったんだよ……」

「そうなの？！」

「……何で私が動揺してたか分かったか」

　ジッと睨むと

　梨子は「うっ……」っと、口を噤んだ。

　視線をノートに戻し

「ま、今更どうしようもないんだから、そうなってたら、そうなってたで、受け入れるしかないけどね」

　自分に言い聞かせるように、そう言うと

「……何か、マコちゃん更に逞しくなったね……」

　感心する声がした。

「逞しくなった」かどうかは、分からないが「受け入れる」ということを学んだ。

　この地球に来た時は、ただ絶望と不安しかなかった。

　でも、過酷な運命を受け入れ、そして、それを乗り越えたトランクスさんの話しを聞き、考えが変わった。

　私も、自分に降りかかったこの運命を受け入れ、そして、対峙していこう……！　

　と。

　その境地に至ったのは、間違いなくトランクスさんのおかげだ。

　あのまま平和に生活してたら、こんな境地を開くこともなかっただろう……。

「人生に無駄なことなんてない」と、誰かが言っていた。

　だから、この地球に来たことは、きっと無駄なことじゃないんだろう。

　……そう思いたい。

　これからどうなるか不安は不安だ。

　でも、己さえしっかりしていれば、きっと何とかなる。

　こういう時こそ、己の強さの見せどころだ。