そんな孫君に

「ったく！　話し聞いてたの、あんた？　そんなことしたら、暗黒魔界とかいう世界の封印が解けちゃうのよ？！」

　睨みながら言葉をぶつけると

「そうだべ！　真琴ちゃんは悟空さたちと違って、普通の女の子だ！　危ないことに巻き込むようなことはしないでけろ！」

　チチさんの怒る声が続いた。

　孫君は睨む私たちの顔にビクリとしながらも

「いやぁ……。だってさ、せっかく神の力に目覚めたのに、勿体ねぇじゃねぇか。真琴が修行したら、どれだけ強くなるのか、オラすっげぇ興味あんだよなぁ」

　遠慮がちに言うその黒い瞳は、いつものように子供のようなワクワクした目をしてた。

　その目に「まったく……！」と呆れて、睨む目をますます細めると

「悟空さんらしいですねぇ。でも、悟空さん。今回の真琴さんの力に関しては、地球だけじゃなく、全宇宙に関係することですからねぇ。余計なことをして、真琴さんの持つ、ポメ姫の力を完全に目覚めさせるようなことは控えて下さいね」

　ウイスさんが、孫君へプスッと釘を刺した。

　それに続いて

「そうだぞ、悟空。もし、おまえが真琴の持つ力を開放なんてしてみろ。暗黒魔界の封印が解けると同時に、そのことが全王様の耳に入れば、暗黒魔界ごと、この宇宙は全王様に消されるかもしれんからな……。絶対に余計なことはするなよ！」

　ビルス様も孫君を見据えた。

　ビルス様もウイスさんも、ベジータや孫君の「戦闘民族」ていう人種のことをよく理解してるから、十分釘を刺しとかないと不安みたいね。