ウイスさんが細い笑みを浮かべると

「当たり前だ。たかが人間が”神の気”を身に付けるんだ。大事なのは、それまでの過程だよ」

　そう言ってビルス様も、フン。と鼻を鳴らした。

　結果より、過程。

　確かに、所謂プロセスは大事だよね？

　でも、そのプロセスが結果に繋がることって、実は少ないって気がした。

　毎日毎日、必死でピアノを練習しても、必ず結果に繋がるわけじゃない。

　特に、私は気分に左右されるから。

　あ、これって、プロセスは関係ないか。

　……ううん。

　気分に左右されちゃうって時点で、過程を大事にしてないってことなのかもしれない。

　何だか「耳が痛いなぁ」なんて心の中で呟きながら、陽に照らされて、黒く光ってるピアノを見つめた。

　私も、その実を食べたらピアノが上手く弾けるようになったりしないのかな？

　そんなことを考えながら、プロセスをすっ飛ばして「神の気」なんて凄いモノを手に入れてしまったっていう、マコちゃんを見つめた。

　自分に起こったことを分かってるのかどうなのか、マコちゃんはいつもと変わらない、クールな表情で紅茶を飲んでる。

　多分、マコちゃんにとったら、神の気を手に入れたことなんて、どうでもいいことなんだろうな。

　そう思ってると

「よし、それじゃあ真琴！　オラと修行すっか！」

　悟空さんから嬉しそうな声があがった。

　その声に、マコちゃんが目を大きく見開き、悟空さんを見つめると

「ちょ、ちょっと待って下さい、悟空さん！！」

　トランクスさんの慌てる声がした。