簡単に捕まらない？

　自信があるように言う言葉と、[#dn=13#]さんに向ける悟空さんの視線を不思議に思っていると

「それにしても、梨子ちゃんは何だって一緒に来ちまったんだ？」
　
　クリリンさんの言葉に、みんなが梨子さんの方を振り返った。

　みんなが集まっている場所から、少し後ろの方のテーブルにちょこんと座っていた梨子さんは、みんなからの視線を受け、ビクッと身体を強張らせた。

　誰もが疑問に思う、梨子さんまでもがこの世界に来てしまった理由を誰も答えられず、みんなが黙り込んでいると

「理由なんて別にいいじゃん！　俺は梨子ちゃんと真琴ちゃんが地球に来てくれて嬉しいよ！　だって、こんなことがなきゃ、会うことなんてなかったわけでしょ？」

　悟空さんにそっくりな笑顔が、梨子さんと真琴さんを見つめた。

「悟天。そりゃ、そうかもしれないけどよ……。二人にはその第六宇宙の地球に家族がいるんだぜ？　家族は絶対心配してるって……」

　他人事ではないというようすで、クリリンさんが腕を組むと

「しかも、女の子だべ……！　オラにもし娘がいて、突然いなくなっちまったりしたら、気が狂っちまうかもしれねぇだ！」

　嘆くチチさんに続き

「ええ……もしパンがいなくなったりしたら、私……！」

　ゾッとするといったふうに、悟飯さんの奥さん……ビーデルさんは表情を強張らせ、祈るように指を組んだ。

　そんな親心を聞き、二人の顔には、みるみると憂いが広がった気がした。