ニッと笑顔を見せる悟空さんに、父さんは一瞬目を見開くと

「フッ。当然だ。未来の科学者と人造人間か何だか知らんが、そんな奴等は俺様一人で十分だ」

　そう言って、ニッと口角を上げた。　
　
　どんな不利な状況であろうとも、戦うことを楽しみにしている父さんと悟空さん。

　戦闘民族ならではだろう、二人の会話を聞いて

　さすがだな……。

　そう感心していると

「私が……ドラゴンボールを使い、真琴様を呼び出してしまったばかりに……！」

　みんなが集まる後ろの方から声がした。

　絞り出すようなその声に

　誰だ……？

　そんな疑問の表情で、みんなが振り返ると

「私のせいで、皆さんを巻き込むことになってしまい……！　本当に申し訳ありません……！」

　項垂れる、白いローブ姿のコッカーさんの姿があった。

　目をきつく閉じ、悔やむコッカーさんに

「だから、言ったろ？　大丈夫だって！　気にすることねぇさ。それによ。オラ、またあのミラってヤツと戦ってみたかったしさ。だから、オッチャンには感謝してんだぞ」

　悟空さんが、いつもの少年のような笑顔を向けると

「ったく！　あんたは、戦いのことしか頭にないんだから！！　あんたの戦いたい欲求より、真琴ちゃんを守ることが最優先てこと、忘れてないでしょーね！！」

　腰に両手を当て、母さんが悟空さんにじとっと睨むような視線を向けると

「分かってるって！　それによ、真琴だって、前みたいに簡単に捕まりはしねぇさ」

　悟空さんはチラリと真琴さんへ意味深な視線を向けた。