えっ？！

　嘘でしょ？！

　三十二？！！

　トランクスさんて、三十歳過ぎてたの？！！　

　そんな歳にはまったく見えなかった、爽やかな笑顔を思い出してると

「ね。私も聞いた時ビックリしたわ。ホントにサイヤ人て人たちは歳取らないんだねー」

　マコちゃんはしみじみとそう言った。

　そして

「だから、同じトランクスさんでも違うんだろーね」

　思い当たる節でもあるのか、マコちゃんは視線を宙に彷徨わせた後

「それにしても、同じ人間が三人もいると、ホント面倒だね……」

　溜息まじりにそう言うと、また本を読み始めた。

　……そっか……。

　私たちにまで丁寧に話すとこや、戸惑いながらブラちゃんと遊んでるトランクスさんの姿が思い浮かんで納得した。
　
　そして、そう思うと、ますます未来に帰って行ったトランクスさんとは違う人なんだって実感した。

「あの子は人造人間を倒すために修行の毎日だったでしょ？　だから、きっと友達とかいないのよ」

　ふと、最後の方は肩を竦めて、そう言ってたブルマさんのことも思い出し、八歳の年齢差がある二人のトランクスさんのことを考えた。

　……じゃあ、今ここにいるトランクスさんは、友達がいないってこと……？

　そこに思い至ると、何だかトランクスさんが不憫に思えてきた。

　別に人が苦手ってわけじゃなく、ただ、人に……同世代や年下に慣れてないだけなんだ！

　そんな分析結果が出ると、私の胸に違った感情が湧いてきた。

　そっか……。

　それなら……！

　私の胸に、勝手な使命感が灯った瞬間だった。