その目はトランクスさんと同じで。

　強くて綺麗な青い目だった。

　私は思わず、まだ私の心の中にいるトランクスさんに見つめられてるような気がして、思わずトランクス君から目を逸らすと

「……心配なのは分かるけど、ママとおばあちゃんは梨子のことも心配してる。だから、これ以上心配事増やすなよ……」

　トランクス君はそう言うと、ドアの前から去って行った。

　私はしばらく、ドアの前に突っ立ったまま、トランクス君に言われたことを考えた。

　そうだ……。

　そうだよね……。

　トランクス君の言う通りだ。

　私が心配しても、マコちゃんが帰って来るわけじゃない……。

　私はただ、マコちゃんが無事なのを信じて待つしかないんだ……！

　そう思うと、気持ちがグッと引き締まった気がした。

「何かしよう！」って、胸の奥から段々と意欲が湧いてきた。

　私は部屋の隅にあったギターケースを掴むと、それを背負って部屋を飛び出した。

　大好きな歌を思いっきり唄おう！

　歌で胸の中を塞いでる不安を壊そう！

　私は階段を駆け下り外へ出た。

　そして、いつもの庭の奥。

　そこにある洋風の四阿へ向かって走ってると、見覚えのある後ろ姿が視界に入った。

　――陽の光を浴びたサラサラとした髪。

　――勇者のように剣を背負った後ろ姿。

　それはどう見ても私の胸を高鳴らせる人の後ろ姿で、私は立ち止まると、自然とその背中に向かって歩いてた。

　そして、胸を高鳴らせながら

「トランクスさん……？」

　その背中に声をかけてた。