「あの日、ポメ姫の力を奪おうと、ダーブラが我が星に攻めて来ました。そのことを予知しておられた姫様のおかげで、民たちは避難し無事だったのですが……。姫は災いの元凶であるとして、自ら命を絶たれたのです。……私は姫の最後を看取りました。その時、姫はこう仰られたのです。生まれ変わっても引き継がれるこの力を消滅させて欲しい……と」

　哀しさが滲むグレーの目は、一度視線を下に落としてから

「……私は、その望みを果たすことを心に決めました。そして、様々な文献を読み、様々な星を旅し、姫の生まれ変わりである方と、力を消滅させる術を探しました。その旅の途中……地球という星にはどのような願いも叶えるという球があるという噂を耳にし、この星にやって来たのです」

　そう続けると、静かに目を閉じた。

　そこまで語ったコッカーさんをみんなが見つめるなか、私も伸びた髭と魔法使いが着るような、フードの付いたくたびれたローブ姿のコッカーさんを見つめていた。

　その姿は、コッカーという人が、長い年月をかけて旅をしてきたことの証なんだと納得し

　苦労したんだろうな、この人……。きっと「苦労」なんて言葉じゃ言い表せない程の、長い旅をしてきたんだろうな……。

　ポツリとそんなことを思ってると

「私はドラゴンボールを探し出し、神龍に姫の生まれ変わりである方を呼んで欲しいと願いました。しかし……呼び出されたのは真琴様と梨子さんのお二人だった……」

　コッカーさんは脱力したようにそう言うと、私と梨子を哀しい目で見つめ