「トワとミラは時間の移動が自在に出来る……。もしかしたら、ヤツ等には真琴さんがポメ姫の力を持っているという確信があるのかもしれません」

　トランクスさんは顎に右手を添え、思い当たる節があるような顔をした。

　そんなトランクスさんに、怪訝な顔を向けると

「時間の移動って……！？　そんなこと出来るの！！」

　同時にブルマさんの驚いた声があがった。

「ええ……！　そのせいで、俺たちタイムパトロールも随分手を焼かされたんです！」
　
　トランクスさんが悔しそうに口を結ぶと

「やはり……あなたがポメ姫様の生まれ変わりで間違いない……」

　コッカーさんは目を潤ませると

「生まれ変わりであるあなたに、是非聞いて頂きたいのです……」

　そう言うと、少し間を置いてから話し始めた。




「先程、時の界王神様が仰られた通り、ポメ姫様には暗黒魔界の封印を解く程の力があったようです……」

　コッカーさんはそこで一息吐くと

「その為、暗黒魔界の王であるダーブラに狙われました」

　そう言って、視線を遠くに向けた。

　遠いむかしを見つめるようなグレーの目は、息をスゥと吸い込むと

「……姫は己の力が悪しき者に利用されようとしてることを知りました。そして、自ら命を絶たれたのです……」

「！」

　コッカーさんの言葉に、少しだけど、確実にみんなが衝撃を受けたのが分かった。

　見ず知らずの人の死だけど「自ら命を絶つ」ということに、何の反応を示さない人間はいない。

　私は、同情と興味が混ざり合った目で、コッカーさんを見つめた。