その日から、どうしたら私の「神の気」を実体化することが出来るか、悟空さんとの試行錯誤の日々が始まった。

　これまで瞑想だけだったが、走ったり、筋トレをしたり、掃除をしたり……。

　稽古のメニューを増やしたところに、剣道の稽古が加わった。

　剣道を長年してきたわけだから、その剣道を通じて「神の気」を引き出した方がコツが掴みやすいかもしれない。

　という、悟空さんの提案でだった。

　そう提案された日から、私は竹刀を構えた。

　両手で柄を握り、意識を剣先に集中させた。

　この地球に来てから、竹刀を握る時間がめっきり減ってたので、こうして竹刀を握る時間が増えたことは嬉しかった。

　それに、竹刀を握ると心が落ち着いた。

　ただ、座禅を組んで瞑想してる時より、心が凪ぐ感じがした。

　それに、悟空さんは打ち込みや、技を繰り出し続ける掛かり稽古の相手にもなってくれた。

　未来に帰って行ったトランクスさんと同じように、人差し指を立てて、私が打ち込む竹刀を捌く姿に

　それがサイヤ人スタイルなのか？

　などと思いながら、バシバシと容赦なく打ち込んだが、悟空さんもあのトランクスさんと同じように平気な顔をしていた。

　指一本と言っても、サイヤ人だ。

　多分、あの指一本で、岩を砕くくらい……いや、もしかしたら星を割るくらいの力はあるだろう。

　だから、気にすることもなく、めいっぱい打ち込むことが出来た。

　そして、この打ち込みや掛かり稽古をすることで、いつまで経っても気を扱えない自分に対してや、ベジータさんに対する鬱憤を解消することが出来、かなり心が晴れた。