「神の気」とかいうものを身に付けてから、もうすぐ一ヵ月。

　悟空さんから気を実体化する術を教わってるが、私は悟空さんたちのように、なかなか気を放出させたり、舞空術を身に付けたりすることが出来ずにいた。

　もし、また私を攫ったヤツ等が現れた時のために

「自分の身は自分で護る！」

　そう思って始めた稽古だったが、稽古の甲斐も虚しく、私は以前と変わらず、ただ気を感じることぐらいしか出来ずにいた。

　悟飯さんの奥さんのビーデルさんは、二週間足らずで舞空術をマスターしたらしいが、私は浮くことさえも出来ずにいた。

　気を操るということは、センスがいるんだろう……。

　きっと、そのセンスが私には無いんだ。

　そう思って、柄にもなく凹んでた時――。

　あのベジータとかいうオヤジが、私に向かって気功波を撃ってきた。

　あまりに突然のことで、私は迫ってくる光の弾に、茫然と立ち尽くすことしか出来なかった。

　トランクスさんが弾き飛ばしてくれなかったら、直撃で多分死んでたと思う。

　いや。

　間違いなく死んでた。

　それを考えると、私は震えた。

　間違っても「死に対しての恐怖」でじゃない。

　怒りでだ！

　茫然と立ち尽くし、気功波をどうすることも出来なかった私に

「神の気を持ってるらしいが、満足に使いこなせんなら、宝の持ち腐れだな」

　そう見下してきた冷たい青い目と、放たれた言葉を忘れることが出来ない。

　思い出すたびに

　クッソー……あのオヤジ……！　絶対に見返してやる！！

　拳を握りしめ、私はあのオヤジに復讐心を燃やした。