「あはは……そうだね。意味なんてないんだろうね」

　梨子は眉を更に下げて、寂しそうに笑った。

　……アレ？

　励ましたつもりが、余計に梨子を凹ませたような気がして、慌ててると

「少しは、マコちゃんの役に立ちたいなって思うんだけど……。そうだよね、私には何の力もないもんね……」

　梨子はあからさまに、しゅんと肩を落とした。

　マズイ……。

　落ち込ませた……！？

　悟天が凹んでる時は、いつも今みたいな感じで解決なのに……！

　違ったのか？！

　密かに頭を抱えてると、ハッとむかしのことを思い出した。

　……そう言えば、マイちゃんを励ましたことがあったけど、あの時は何でか怒らせちゃったんだよな……。

　……。

　俺って、もしかして、人を……女の子を励ます才能ないのか……？

　クッションに顔半分埋める梨子を見つめながら、思ってもなかった事実にショックを受けてると

「あ、ゴメンね、トランクス君。話し聞いてもらって……」

　クッションを顔から離して、梨子が取り繕うように、緩い笑顔を俺に向けた。

　っ！

　その笑顔に、無性に胸がザワザワ波打った。

「聞いてもらったらスッキリした。ありがと」

　そう言って、さっぱりとした笑顔を浮かべる梨子に、胸のザワつきは激しくなって

　何だよ、このザワつきは……！

　戸惑いながら

「……話しだけならいつでも聞くから」

　そう言って俺は、無意識に梨子の頭をポンポンと撫でてた。