「重力室？！　まったく、父さんは……！」

　やっぱり自分勝手なところは、変わってないな！

　苦い顔をしてると

「私が行っていいって言ったんですよ。ずっと誰かが傍にいるのが不快なんで」

　真琴さんはそう言うと、背中まで大きく振りかぶった竹刀を、つま先の辺りまで振り下ろした。

「不快って……！　真琴さんの身を守る為なんですよ！」

　真剣な表情で、また、竹刀を振りかぶる真琴さんに訴えると

「もう大丈夫ですよ」

　竹刀を振り下ろした、真琴さんはハッキリと答えた。

「大丈夫って……。？！　まさか、神の気をコントロール出来るようになったんですか？！」

　驚いて尋ねると、真琴さんは竹刀を振り下ろし

「まぁ、何とか」

　何でもないことのように呟いた。

　悟空さんと稽古を始めて二週間――。

　筋が言いとは聞いていたが、まさか、もう、神の気をコントロール出来るようになるなんて！

　驚きと感動の入り混じった、何とも言えない興奮で胸を熱くしていると

「と言っても、まだ気を増幅させたりだけですけどね」

　真琴さんはそう言うと、竹刀を大きく振り下ろした。

「それが出来るようになっただけでも凄いですよ！　やっぱり真琴さんは筋がいいんですね！」

　両手に拳を作り、力いっぱい真琴さんに賛辞を贈ると、いつも淡々としている真琴さんは照れを隠すように

「基礎がしっかり出来てたからだと思います」