「うーん……。オラ知らねぇなぁ」

　白髪混じりの髭を生やしたおじさんの顔を覗き込むなり、悟空さんは首を傾げた。

「じゃあ、孫君の知り合いでもないの？！」

「ああ。オラの知り合いじゃねぇ」

「……カカロットの知り合いでもないとすると、こいつは一体何者だ？」

　そう言うとべジータさんは、黙ったままのトランクスさんへと視線を向けた。

　つられるように、私も時の界王神様っていう人と連絡を取ろうとしてるトランクスさんへ視線を移して、ドキリとした。

　視線の先にあった横顔。

　それは、当然だけどトランクスさんとトランクス君と同じで、鼻筋の通った凛々しい横顔だった。

　よく知ってる、その横顔を見つめてると

「おい、トランクス。時の界王神は何と言ってるんだ」

　べジータさんの声で、トランクスさんが顔をこちらへ向けた瞬間、私はサッと視線を逸らした。

　もう一人のトランクスさんの登場ーー。

　まさかの有り得ない展開に、私の心はザワザワって波を立ててた。

　だって……。
　
　目の前のトランクスさんは、あのトランクスさんと同じ顔で、同じ雰囲気で……。

　すぐ傍にいることにドキドキした。

　また、トランクスさんに会えるなんて……！

　三日前に未来に帰って行ったトランクスさんにまた会えた気がして、密かに胸を高鳴らせてると

「そ、それが。時の界王神様と通信出来なくて……」

　トランクスさんの、困惑した声が聞こえてきた。

「おや？　一体どうしたんでしょう？」

　ウイスさんの声に続いて

「まさか、また何か起きてるんじゃないだろうな……！」