次の日の朝。

　いつものように寝坊して、一人で朝食を食べにレストランへ向かってると、途中でトランクスさんに出会った。

「おはようございます」

　声をかけると

「！　お、おはようございます……！」

　挨拶を返してくれたトランクスさんが、何だかいつもと違う気がした。

　不思議に思いながら

「トランクスさんも、これから朝ご飯ですか？」

　尋ねると

「は、はい……」

　トランクスさんは、スーッと私から視線を逸らした。

　いつもなら、こっちが照れちゃうくらいに、ちゃんと目を見て話してくれるのに……。

　変だなぁ。

　心の中で首を傾げつつ

「今朝もトレーニングされてたんですか？」

　青い目の中に入るように覗き込むと

「え、あ、いや……。今日は、その……寝坊してしまって……」

　トランクスさんは、何だかバツ悪そうに、視線を彷徨わせた。

　なるほど……！

　トランクス君が寝坊して、慌てて学校に行く姿は時々見るけど、トランクスさんが寝坊する
なんて初めてじゃない？

　そっかそっか。

　寝坊したのが恥ずかしいんだ。　

　真面目に、規則正しい生活を送ってそうなトランクスさんの口から「寝坊」っていう言葉聞いて、何だか少し嬉しくなった私は
　
「トランクスさんも寝坊したりするんですね！」

　思わず、トランクスさんを見上げ微笑んでた。

　そして

「私なんて、ほぼ毎日寝坊してますから。たまに寝坊するくらい大丈夫ですよ！　気にしちゃダメです！」

　そう言って励ますと、トランクスさんはキョトンとした顔で、私を見てた。