って、怒声をあげた。

　そんなベジータさんを、面白いな。って思いながら、ニヤニヤしつつも、この話題に混ざると絶対に怪我をすると思い、黙って料理を食べ進めてると

「じゃあ、梨子ちゃんは？　梨子ちゃんの初恋はどんな人だったの？」

　ブルマさんの、更に楽しそうな声が聞こえてきた。

　フゥー……。

　終わったか……。

　知られたくもなかった、自分の初恋話しが終わって、密かに深く息を吐いてると、私の向かいから

「えっ……！　初恋ですか？」

　梨子の戸惑う声がした。

　おい……！

　人の初恋をバラしておいて、自分だけ無傷で済ませようなんて思うなよ！

　イラッとして、目の前の梨子を睨むと、素知らぬ顔で料理を食べつつも、明らかに聞き耳を立ててる、トランクスさんが視界に映った。

　……。

　……気になるのか。

　まぁ……梨子の大事な情報の一つだもんな。

　しかも「初恋」の。

　私は、梨子の初恋話しを聞いたトランクスさんが、どんな反応をするのか気になり、ようすを窺うことにした。

　きっと、ブルマさんも、動揺するトランクスさんに目ざとく気付いて、反応を楽しんでるだろう。

　人ってのは「片想い」っていう、ある意味「弱み」を持つ人間が身近にいると、どうしてもちょっかいを出したり、からかったりしたくなるもんだ。

　それは、この地球でも変わらないんだな。

　そう思うと、別の宇宙にあるこの地球もやっぱり地球なんだなと、実感が湧いた。