この本は、アメリカやヨーロッパで出版されると世界的ベストセラーになり、アメリカの大統領や政治家にも広く読まれた。

　日本人にはあまり読まれてないかもしれないが「武士道」って本は、すごい本なのだ。

　が、説明したところで、この第七宇宙の地球の人にはピンとこないだろうから

「どんな本なの？」

　って、ブルマさんの質問に

「あー……私たち、日本人が持つ道徳意識や思考方法が書かれた本です」

　とだけ答えると

「道徳意識に思考方法？　何か難しそうね」
　
　ブルマさんの眉間に、小さく皺が寄った。

　確かに「道徳」とか「思考」なんて言われると難しく聞こえるなぁと思い

「まぁ、私たち日本人がどんな民族なのかを紹介した本です」

　って、ざっくり言い直すと

「へぇ。そういう本なら興味あるわね」

　と、本の印象は変わったようだった。

　そんな私とブルマさんの会話に

「第六宇宙の地球は、この地球と違って何やら複雑そうですねぇ」

　ウイスさんが興味深そうに入ってきた。

　そして

「その本、是非読んでみたいですねぇ」

　って、目を三日月みたいに細めて言うから「いいですよ」って答えると

「えっ？！　まさか、持ってるの？！」

　ブルマさんは小さく驚いた。

「はい。学校の鞄に入れて、常に持ち歩いてるんで」

　って答えると

「ホントにその本が好きなのね……」

　少し呆れと感心が混ざったような発言のあと

「まぁ……確かに、そういう本読んでたら、友達出来なさそうね……」

　って、ブルマさんは納得するように頷いた。