「マコちゃんてば……」

　梨子さんが顔を顰めると

「何？　私はポメ姫は立派だと思ってるよ。もし同じ立場になったら、私も迷わず腹切って死ぬよ」

　何でもないことのように言い切った真琴さんに　

「また……。切腹とかいつの時代よ……」

　梨子さんは更に顔を顰めた。

「真琴ちゃんて、本当に高校生？　若いのにやけに達観してるわね……」

　母さんが呆気にとられたように、言葉を漏らすと

「マコちゃんて、こういう子なんです。だから友達少ないんですよ」

　梨子さんが溜息交じりに相槌を打った。

「気の合わない友達なんて、いないのと一緒。無理してつるまなきゃいけないなら、友達なんていらないわ」

　周りからどう思われようが、自分の考え方は間違ってない。というふうに吐き捨てる真琴さんに

「君のその考え方、僕は嫌いじゃないよ」

　ビルス様がニヤリ口角を上げると、真琴さんは「そりゃ、どうも」と軽く会釈を返した。

　そんな二人を見て

「おやおや。ビルス様に気に入られるのもどうかと思いますよ」

　ウイスさんが呆れたように言うと

「おい、どういう意味だウイス？」

　ビルス様が、ジロリとウイスさんを睨んだ。

「そのままの意味ですよ」

　ホホホホホと笑うウイスさんの傍で

「破壊神に気に入られるとはな」

「ビルス様友達いねぇみてぇだし、丁度いいんじゃねぇか」

　父さんと悟空さんとのそんな会話が聞こえてきた。