「もしかしたら……」があるかもしれないわけだし……。

　トランクスさんの発言で、重たくて暗い雰囲気が漂い始めると

「あんたんとこみたいな仲良し姉妹もいいけど、私はああいうサバサバした関係憧れるわ」

　マコちゃんがそう言って、手に持ったお皿にある人参にプスリとフォークを刺した。

　トランクスさんの発言を流して、私の家族の話しを持ち出してきたマコちゃんに

「うん！　ウチは仲良いよ」

　姉妹仲が良いことは、私の自慢の一つだもん！

　そう思って大きく頷くと、マコちゃんは人参を飲み込んでから

「菜奈さん優しいもんね」

　思い出すように、しみじみと感情を込めてそう言った。

　私も、何かと世話を焼きたがるお姉ちゃんのことを思い出して

「うん、すごく優しい」

　頷いてから

「……お姉ちゃん、無事に赤ちゃん産まれたかなー」

　この地球に来る前、出産直前だったお姉ちゃんの姿を思い浮かべた。

　私、十七歳で叔母さんになるのか……。

　なんて、小さく溜息を吐いてたけど、それ以前に家に帰れるか分からない今の状況に、密かに溜息を吐いてると

「梨子のお姉さんて、赤ちゃんいたの？」

　トランクス君が少し驚いたような声を出した。

「うん。私がここに来る前に、あと一ヵ月で出産予定日だったから、もう生まれてるはずだよ」

　赤ちゃん誕生の喜びを、家族みんなと分かち合えなかったことを残念だなって思いながら答えると

「お姉さんとは歳が離れてるんでしたよね？」

　トランクスさんにそう聞かれて、私は「はい」って笑顔で答えた。