父さんとの朝の修行を終え、いつもと同じようにレストランへと向かった。

　今朝も梨子さんと一緒に朝食を食べれるだろうか……？

　そんな淡い期待を胸に抱いてレストランへ入ったが、残念ながら梨子さんの姿はそこにはなかった。

　二度寝でもしたのかな？

　朝が弱い彼女のことを思いながら、頬の辺りを緩め、入口に置いてある新聞を手に取り席に着いた。

　新聞に目を通しながら、朝食が運ばれて来るのを待っていると、美味しそうな匂いと共に、朝食を乗せたワゴンが入って来る音がした。

　父さんとの修行で、エネルギーをかなり消耗した後ということもあり、朝は毎日かなりの空腹感を感じている。

　今朝のメニューは何だろう？

　密かに楽しみにしていると

「おはようございます」

　可愛らしい声と一緒に、俺の前にスープの入ったマグカップがコトンと置かれた。

　？

　聞き覚えどころか、大好きなその声に新聞からパッと顔を上げると、そこにはメイド姿の梨子さんが、笑顔で立っていた。

「！？　梨子さん？！」

　不意打ちで現れた、見慣れない姿の梨子さんに驚いてると

「修行お疲れ様です！」

　可愛らしい笑顔でにこりと微笑まれ、顔がすぐさまカァァと熱くなった。

　それはきっと、いつもと違う黒いワンピースに白いエプロンという、清楚な服装のせいだろう。

　メイド姿の梨子さんもかなり可愛らしく、見惚れるように梨子さんをじっと見つめてると

「ふふっ！　驚きました？」

　悪戯っぽい笑顔を向けられ