目の前で、偉そうにふんぞり返るビルス様に、更に冷たい視線を送ると

「ビルス様。トランクスさんは時の界王神の右腕として、重要な任務を担っているのですよ。今回も、真琴さんの護衛として、ちゃーんと働いてるじゃないですか。ビルス様も、少しはトランクスさんを見習って欲しいくらいですよ」

　ヤレヤレ……と言うふうな、溜息交じりの声がウイスさんから漏れた。

　そしたら、どうやら自覚はあるんだろう

「だから、僕とあいつじゃ仕事の重要性が違うんだよ。比べるんじゃない！」

　ビルス様は大きな声を出して、バツが悪いのを誤魔化した。

　そんな二人のやり取りを、空になった茶碗を片付けながら聞いてると

「仕事の重要性で言えば、トランクスさんのお仕事も大きなものですよ。何しろ、今回もあの暗黒魔界が絡んでいるのですから」

　落ち着いたウイスさんの声の中に、いつになく真剣なものを感じて、ふとウイスさんに目を向けると、ウイスさんと目が合った。

　その黒くて深い目は、じっと私を見ると

「ところで、真琴さん。悟空さんとのお稽古が上手くいっているようですね」

　そう言って、ニコリと微笑んだ。

　ふいに、神の気の稽古のことを聞かれ

「え……。あ、まぁ」

　と、曖昧な返事をすると

「前にお会いした時より、かなり神の気が大きくなってきてますね。そろそろ、ご自分の身を守れる程の力を身に付けられたんじゃありませんか？」

　薄っすらと微笑まれ、返事に困った。

　まだ、舞空術も使えないし、気功波だって撃てない。

　けど。