微笑むトランクスさんに

「それにしてもスゴイです！　だって、人造人間がいなくなって、そんなに経ってないんですよね？　なのに、そこまで街が復興するなんて！」

　未来の世界の人たちの、努力に感動してると

「そうですね……。みんなで力を合わせて頑張った結果です」

　トランクスさんはそう言うと

「本当に……人間の力は凄いですよ！」

　めいっぱい実感のこもった声で、そう続けた。

　そんなトランクスさんに

「トランクスさんも、その中の一人じゃないですか！　って言うか、人造人間をやっつけたのがトランクスさんでしょ？　まずトランクスさんがスゴイです！」

　うんうん！　と、大きく頷いてると

「俺だけの力じゃありませんよ。この世界の父さんや悟空さんたち。それに、タイムマシンを造った母さん。そして……俺を鍛えてくれた悟飯さん……。みんなのおかげで、俺は人造人間たちを倒すことが出来たんです」

　声のトーンを落として、そう言ったトランクスさんに

「ん……？　悟飯さん？」

　突然出てきた名前に、思わず隣りを見上げると、トランクスさんは暗い表情で、前を真っ直ぐ見つめてた。

　何かを思い出すように、そう言ったまま黙り込むトランクスさんを見上げてると、私の視線に気付いたトランクスさんが

「あ、ああ……。悟飯さんですか？　悟飯さんは……俺の未来の世界の方の悟飯さんですが……。俺に戦い方を教えてくれた師匠なんです」

　また、困ったような笑顔を浮かべると

「人造人間との戦いで、亡くなってしまったんですが……」

　そう言って、今度は寂しそうに微笑んだ。