高層ビルに映画館。

　デパートにゲームセンター、それにレストラン。

「大都会」って感じの街並が続く、西の都の大きな通りを

「西の都って、本当に人も多くてすごく賑やかですよね！」

　なんて言いながら、わくわくして歩いてると「そうですね」って言う、トランクスさんの小さく笑うような声が聞こえた。

　隣りを歩くトランクスさんを見上げると

「梨子さんの地球の『東京』という街もこんな感じですか？」

　って聞かれて

「うーん、人の多さはこんな感じですけど、街並みはもっとこう……統一感がないっていうか……」

　首を傾げながら、黒とグレーの東京の街を思い浮かべた。

　人の多さでは負けてないけど、街の雰囲気で言ったら、西の都の方が断然キレイだし、未来感が半端ない。

　東京が……私たちの地球がこんなふうになるのって、あと何年先だろ？

　なんてぼんやり考えてると

「俺の世界の西の都は破壊されていて……。この世界に来て、こんな街だったことを知りましたよ」

　妙に晴れやかな口調で話すトランクスさんに違和感を感じて、また隣りを見上げると

「あ……すみません。こんな話しをしてしまって」

　トランクスさんは、困ったような笑顔を浮かべた。

　あ……。また、その顔……。

　さっきも見た、困ったように笑う顔に、また罪悪感みたいな重くて暗い感情が胸の中に広がり始めてると

「でも。俺の世界の西の都も、復興が進んでるようなので、今度地球に帰るのが楽しみです」

　トランクスさんの嬉しそうな顔に、胸の中にじわじわ広がってた、暗いモヤみたいな感情はスーッと小さくなった。