そして、初めて入ったこの地球の楽器屋さんも同じような空間が広がってて、テンションが上がった！

　フロアに所狭しと並ぶ楽器、楽器、楽器！

　久しぶりに見る光景に、顔が緩む私の隣りから

「こんなにたくさんの楽器が置いてあるんですね……」

　驚いたような声がして、思わず隣りに立つトランクスさんの顔を見上げた。

「あ……。その、楽器店に来たのが初めてで……」

　苦笑いを浮かべるトランクスさんに

「え？　あ、そうなんですね」

　驚くように呟いてから、すぐにブルマさんから聞いた、トランクスさんの住む、未来の世界の話しを思い出してハッとした。

　そうだ……！

　トランクスさんは、私たちとは過ごしてきた環境が違うんだった……！

　この地球の人と同じように、エアカーや飛行機を動かせて、身の回りにある家電なんかも、私以上に使いこなしてるトランクスさんを、そんなふうに意識したことが今までなかった。

　いま、トランクスさんの何気ない一言で、トランクスさんの過ごしてきた世界のことを改めて意識させられて、動揺してると

「梨子さんに連れて来てもらわなければ、俺には縁の無い場所だったと思うので、来られてよかったです」

　そう言って微笑むトランクスさんの顔は、少し困ったような……寂しそうな顔に見えた。

　いつも、悲しい世界で過ごしてきたことなんて感じさせない、穏やかな顔をしてるのに……。

　そんな、初めて見るトランクスさんの表情に

　こんな顔させちゃったのって、私のせい……だよね……？

　そう思うと、胸の中に罪悪感みたいな感情が広がっていった。