研究室のドアをノックすると「ハーイ」って返事がしてから少しして、ドアが開いた。

「あら。梨子ちゃん、どうしたの？」

「あ、お仕事中にすみません……。あの……えーっと……」

　い、言い出しにくい……。

　ギターの弦を買いに行きたいので、お金を貸して下さい！

　なんて……。

　居候の分際で、図々しいお願いだよね……。

　あぁ、やっぱりギター弾くのは我慢しようかな……。

　うぅ。でも、弾きたいしな……。

　不思議そうな顔をするブルマさんを見ながら、躊躇してると

「分かった！　梨子ちゃん、何か私に頼みがあるんでしょ？」

　ブルマさんはピンときたって感じで、笑顔を浮かべると

「で、どんな頼みかしら？」

　私の顔を、探るようにまじまじと見つめた。

　うぅ……言いにくいけど……ブルマさんなら「図々しい」とか思わない……よね？

　私は覚悟を決めると

「あ、あの。実はギターの弦が切れてしまって……。新しい弦を買いに行きたいんです。それで……えっと……お金を貸してもららえませんか……！」

　そう言って、頭を下げた。

　あぁ、何か情けない……。

　弦を買うお金すら、ブルマさんに頼らなきゃいけないなんて……。

　お金が必要になるなら、ここなら校則も関係ないし、どうせヒマだったんだから、バイトでもしておけばよかった……。

　この地球に来てからの三ヵ月。

　マコちゃんとは違い、私って、何の目的もなく、ただ無意味な時間を過ごしてたなーって、後悔してると

「何だ、そんなこと！」

　ブルマさんは可笑しそうに笑うと