そう思った直後、すぐに、さっきとは明らかに違う、重い衝撃音が伝わってきた。

　腕をクロスさせ、何とか拳を防いだトランクスは、表情を歪ませている。

　きっと、この一撃で力の差を悟った筈だ。

　トランクスの歪んだ顔に、驚きと焦りがチラついて見えた。

　さぁ、どう戦う――。

　すでに、攻撃態勢に入ったトランクスは、重みのある拳を連続させはじめた。

　食らえば、大きなダメージを受けるのは確実だ。

　戦闘経験が勝るトランクスからの攻撃を、何とかかわしていたトランクスだが、拳を防ぐことに気をとられ、次にきた蹴りを腹にまともに食らった。

　何が起きているか分かっていないブルマたちだったが、空を切る音が止み、片手で腹を押さえるトランクスの姿が見えると

「あっ……！」

　と、何が起きたか理解し、驚きと心配とが混ざったような声があがった。

　チッ！

　まともに食らいやがって……！

　戦闘の勘がすこぶる鈍った息子にイラ立ちながらも、動きのいいもう一人の息子に感心した。

　少し前に、未来から来ていたトランクスより劣りはするが、いま、ここにいる未来から来たアイツはまだまだ伸びる見込みがある。

　そして、そうでなければ、もう一つの未来の地球を守ること、そして、タイムパトロールとかいう務めも全う出来ないだろう。

　この世界に来たあいつに、俺がしてやれること――。

　それは、鍛えてやることしかない。

　そう思った。

　修行に誘い、そして、サイヤ人ブルーの力を見せつけ

　どうだ？　おまえもこの強さを手に入れることが出来る筈だ！

　そうやって、戦闘民族の本能を煽ってやった。