それとも、私が帰りたいけど言い出せずにいると思って、気遣ってくれたのかな？

　トランクスさんて、そういう気遣いが出来る人だもんねー。

　なんて、いつも優しくて思いやりのあるトランクスさんを思いながら笑ってると、ふと、全く違う考えが浮かんできて、途端に胸の奥がヒヤリと冷たくなった。

　いやいや、トランクスさんはそんなこと思う人じゃないでしょ……！

　首を振って否定したけど、一度浮かんだことは簡単には消えなくて

　もしかして、そういうこと……？

　私……ここにいない方がいいってこと……？

　そんな悲観的な考えが頭の中を回りはじめると、視界に広がってた青い空が、どんどん遠ざかっていくような気がした。



　ウイスさんが帰って来たのは、次の日のお昼頃だった。

「すぐ帰って来ると思ったんだが、遅かったなウイス」

　ビルス様が嫌味っぽく言うと

「私もそのつもりだったのですが、コッカーさんの帰還を祝うパーティーに、是非出席して欲しいと惑星ドギーの王に言われまして。それで遅くなってしまいました」

　ウイスさんが悪びれたようすもなく答えた。

　そんなウイスさんに

「もともと、そのつもりで惑星ドギーに行ったんじゃないだろうな？」

　ビルス様が疑うような目を向けると、ウイスさんはその視線を全く気にするようすもなく「まさか」って答えて薄い笑いを浮かべた。

　あ、ウイスさん確信犯だ。

　なんて、二人の会話を聞きながら思ってると

「じゃあ、コッカーさん惑星ドギーの人たちに、ちゃんと本人だって認めてもらえたのね！」

　ブルマさんが、笑顔で二人の間に割って入った。