そして、ようやくポメ姫の力を受け継ぐ真琴さんと出会い、あとはポメ姫の力を消滅させるのみ……。

　課せられた務めが終わりを迎えようとしていることに今更ながら気付き、私の心の中の振り子が大きく揺れだすと

「もし、惑星ドギーに戻られるのでしたら私もご一緒しますよ。少しばかり時間が経っていますからね。あなたが惑星ドギーに仕えていたコッカ―だと、誰も信じないかもしれません。それに、ブルマさんの言うように今回のことを惑星ドギーの王に話しておく必要があるでしょう。トワとミラとかいう暗黒魔界の者が、再び惑星ドギーに手を出すかもしれませんからね」

　ウイス様は神妙な顔つきで、じっと私を見つめた。

　確かに、ウイス様のような信用ある人物が一緒でなければ、この年老いた姿を見て誰が私だと信じるだろう。

　それに、あの暗黒魔界の者は時や空間を超える力がある。

　ウイス様が言われるように、いつ惑星ドギーに現れるか分からない。

　あやつ等のことを王に伝えるには、囚われの身となり、間近であの者たちを見た私だけが出来る務めではないだろうか。

　石となり、時が止まっていた王や大臣たちよりも、老け込んでしまった自分が故郷に戻ったところで、何か役に立てることはあるのだろうか？

　そう思い、故郷に戻ることに躊躇していたが、いまのウイス様の言葉で私の心の振り子の揺れはピタリと止まり

「この年寄りが帰ったところで、何の役にも立たないと思っておりましたが、心が決まりました。私は一度、惑星ドギーへ戻ります」

　私は、懐かしい故郷への帰還を決意した。