ウイス様は、薄い笑みを浮かべると

「惑星ドギーのようすを見て来ました」

　と、懐かしい故郷の名を口にした。

　四十年間、一度も帰っていない故郷の名に、胸が震えるのを感じていると

「惑星ドギーって、コッカーさんの故郷でしょ？！　それで？！　いまはどうなってるの？！」

　別のテーブルに座るブルマさんが、続きを催促した。

　ウイス様はブルマさんを一瞥すると、少し間を置いてから

「惑星ドギーですが、ブウさんがダーブラが倒してくれたおかげで、石に変えられていた人々が元の姿へと戻っていました」

　そう言って、私を安心させるように笑みを深くした。

　四十年という月日の中で、故郷の星のことを忘れたことなどない。

　そして、いつも残してきた民と石に変えられた人々のことを憂いてきた。

　が、いま。ウイス様の言葉で現在の故郷の星の状況を知り

「お、おぉぉ……。それは……それは、本当でございますか……」

　込み上げてくる涙と共に、声を震わすと

「ええ。以前のように王を中心とした惑星に戻っていましたよ。ただ……石に変えられていた方々は当時の姿のままなので、色々戸惑いはあったようですが……」

　ウイス様の落ち着いた声音が、そう続けた。

　すると、その話しを聞いたブルマさんが

「そっか……。石に変えられていた人たちはその時で時間が止まってるから、戻った途端急に何十年も時間が経っててビックリよね」

　と、腕を組んで唸った。

「ええ。まぁ、でも。惑星の中心である王が当時の姿のままで健在ですから、石化を免れた人たちは王の復活を喜んでいましたよ」